自然災害の後、屋根材が破損したり、屋根から雨漏りがしたりして困ることがあるでしょう。その際、条件を満たせば、火災保険で修理費用の補償を受けられる可能性があります。
今回は「屋根修理」に焦点を当てて、補償を受ける条件や補償されるケース、補償されないケースを紹介します。火災保険の申請手順や業者選びのポイントもあわせて解説するので、ぜひチェックしてみてください。
目次
火災保険で屋根修理が補償される条件!
まずは、火災保険で屋根修理が補償される条件を確認しましょう。
風災による被害の場合
火災保険で屋根修理の補償を受ける場合、「風災補償」の対象となるケースが多いです。風災補償は、台風や強風による被害を補償します。最大瞬間風速20mを超える風によって建物や家財が受けた被害は、風災補償の対象です。
また、風災補償とセットで「雪災補償」「雹(ひょう)災補償」も火災保険の基本補償に含まれていることが多く、雪や雹による屋根の被害も補償対象になります。
3年以内の被害
被害箇所や原因に関わらず、火災保険の申請期限は「被害発生から3年間」です。被害発生から3年以上経っている場合、その他の条件を満たしていたとしても、火災保険の補償は受けられません。
反対に、被害発生から3年以内で被害時の写真などが残っていれば、すでに自費で屋根を修理しているケースでも、後から火災保険を申請できる可能性があります。
被害発生から時間が経つほど、被害状況や原因は特定しにくくなるため、被害に気づいたら後回しにせず、できるだけ早く火災保険を申請しましょう。
火災保険で屋根修理が補償されるケース
火災保険で屋根修理が補償されるケースを、2つの例を挙げてご紹介します。
火災保険で屋根修理が補償されるケース①|強風
先述の通り、強風によって屋根が受けた被害は、火災保険の「風災補償」の対象となります。補償されるのは、例えば次のようなケースです。
- 強風で屋根が破損し、雨漏りするようになった
- 強風で瓦が落ちた
- 台風で棟板金が浮いた
- 台風で雨どいが破損した
最大瞬間風速20mを超える台風や強風の後、屋根に異常が見られたら、火災保険の補償を受けられる可能性があります。
火災保険で屋根修理が補償されるケース②|雹(ひょう)
雹(ひょう)により屋根が受けた被害は、火災保険の「雹災補償」の対象となります。
雹とは、積乱雲から降ってくる大粒の氷の塊のことです。直径5mm以上のものを雹、直径5mm以下のものを霰(あられ)と区別します。
雹で屋根が凹んだり破損したりした場合は、火災保険を申請できる可能性があるため、保険会社や火災保険の申請サポート業者に相談してみましょう。
火災保険で屋根修理が補償されないケース
続いて、火災保険で屋根修理が補償されないケースについても見ていきましょう。
屋根修理が補償されないケース①|経年劣化
被害箇所に関わらず、経年劣化による損害は火災保険の対象外です。もともと傷みや劣化があった屋根が破損した場合、火災保険の補償を受けられない可能性があります。
ただし、被害の原因が経年劣化か自然災害かは、個人では判断が難しいケースも多いです。迷った場合は、自己判断で諦めてしまう前に、保険会社や火災保険の申請サポート業者に相談しましょう。
屋根修理が補償されないケース②|施工不良
「新築したばかりなのに雨漏りがする」「リフォーム後に屋根の異常に気づいた」など、施工不良による被害は、火災保険の対象外です。
新築物件に施工不良が見つかった場合は、施工を行った建築会社に連絡して、修理をしてもらいましょう。
新築物件を提供する際、建築会社には「住宅瑕疵(かし)担保責任保険」への加入が義務付けられており、引き渡しから10年以内であれば、無償で修理してもらえる可能性が高いです。
屋根修理を火災保険で申請する方法・流れ
まずは、無理のない範囲で被害状況を確認しましょう。この時、状況を確認するために屋根の上に登るのは避けてください。転落して二次被害につながる可能性があります。
また、瓦や屋根材が落ちて他人や隣家に被害を与えると、損害賠償請求につながることもあるため、屋根に異常がある時は放置せず、できるだけ早く対処しましょう。
火災保険申請の第一歩として、申請サポート業者に連絡します。申請サポート業者は、次のようなサービスを提供することで、利用者のスムーズな保険申請をサポートします。
- 現地調査
- 一部の書類の作成
- 申請手続きに関する助言
火災保険申請は個人でもできますが、手続きが煩雑になりやすいため、自信がない時や手間を減らしたい時は、申請サポート業者を利用すると便利です。
申請サポート業者のスタッフが、現地訪問して調査を行います。ご自身で原因や被害状況がわからなかった際も、専門知識を持つスタッフが丁寧に調査を行うためご安心ください。
被害状況や原因、保険の申請可否を調査し、申請できそうな箇所があれば、見積書を発行します。
申請に必要な書類を郵送してもらうために、保険会社に被害発生の報告をしましょう。電話連絡の際は、保険会社のスタッフの案内にしたがって、次のような内容を伝えます。
- 契約者の氏名
- 被害日時や被害箇所
- 被害状況や原因
申請サポート業者は保険会社への代理申請はできませんが、申請に関する助言はできるため、わからないことがあれば何でも相談しましょう。
火災保険申請に必要な書類を作成・収集します。必要な書類は保険会社や補償内容によって異なりますが、おもに次のような書類が必要です。
- 保険金請求書
- 修理見積書
- 被害発生時の写真
一部の書類は、申請サポート業者が作成を手助けします。書類がすべて整ったら、保険会社に提出しましょう。
申請書類に不明瞭な点があったり、過度な保険金請求だと判断されたりした場合、保険会社の鑑定人による調査が行われることがあります。
申請書類に不備がなければ調査なしで申請が通ることもあるため、少しでも手間を減らせるよう、申請書類は慎重に記載しましょう。
保険会社が最終的な給付金額を決定し、指定の口座に入金します。保険金の使い道は原則として自由なので、必ずしも申請通りに修理を行う必要はありません。
成功報酬として、申請サポート業者に手数料を支払います。手数料の割合は業者ごとに異なりますが、相場は33%〜38.5%程度です。(※イエベンゴは業界最安水準の16.5%(税込)〜でサポートしております)
火災保険で屋根修理をする詐欺業者に注意|トラブル多発中
火災保険の申請前後は、詐欺やトラブルに遭いやすいため、注意が必要です。ここでは、よくある詐欺業者の特徴を3通り紹介します。
火災保険で屋根修理をする詐欺業者の特徴|訪問販売営業(逮捕事例あり)
訪問販売で屋根修理を勧めてくる業者とは、契約しないことをおすすめします。訪問販売では、不要な屋根修理を勧めたり、火災保険申請の際に虚偽の申告をするよう勧めたりと、さまざまなトラブルが起きやすくなっています。
不当な修理を勧めたり強引な勧誘を行ったりして、業者が逮捕や業務停止命令の措置を受けた事例もあり、十分に注意が必要です。
火災保険で屋根修理をする詐欺業者の特徴|修理(保険金の使い道)を強要
保険金の使い道は、原則として自由です。しかし、屋根修理業者の中には、保険申請を代行する代わりに、その会社での修理実施を強要する業者もいます。
また、修理を強要する業者の場合、相場と比べて不当に高い見積りを出したり、キャンセルしようとすると手数料を請求したりする可能性もあります。
火災保険で屋根修理をする詐欺業者の特徴|「0円で修理できます」とウソの営業
「0円で修理できます」と言って、屋根修理を勧めてくる業者にも要注意です。保険金の受け取り可否や給付金額は、保険会社が決定します。本当に修理費用が無料で済むかどうかは、申請してみるまでわかりません。
詐欺業者は、無料を謳って契約を結ばせた後、想定通りに保険金を受け取れなかった場合でも、自費で追加費用や違約金を支払うよう強要してくる可能性があるため注意しましょう。
火災保険で屋根修理をする際の正しい業者の選び方
最後に、屋根修理で火災保険申請をする際の業者の選び方のポイントを解説します。
工事をするか選べる(保険金の使い道は自由)
火災保険を申請する際は、保険金での修理を強要しない業者を利用しましょう。保険金で修理をする意思があったとしても、修理は複数の業者に相見積りを取った上で、納得できる業者に依頼することが大切です。
工事を強要する業者と契約を結んだ場合、他社より不当に高い費用を請求されるなど、トラブルに巻き込まれるリスクがあります。
弁護士による監修がある(保険申請は法律知識が重要)
弁護士による監修がある業者を選ぶことも重要です。法令を遵守し、正しく火災保険申請を行うには、法律に関する知識が必要です。
「業者に依頼したのに申請時にトラブルが発生した」という事態を防ぐためにも、弁護士監修のサポートを提供している業者を選ぶと良いでしょう。
火災保険での屋根修理に関するQ&A
- 火災保険の保険金を屋根修理以外に使っても大丈夫ですか?
- はい、保険金の使い道は原則として自由なので、保険金を他の用途に使っても問題ありません。
ただし、屋根の破損を放置すると、雨漏りで家の木材が腐食したり、瓦や屋根材が落下したりして二次被害につながる可能性があるため、早めに修理することをおすすめします。
- 訪問販売で断り切れず、怪しい業者と契約してしまいました。どうしたら良いでしょうか?
- 申込書面または契約書面を受け取った日から8日以内であれば、クーリング・オフを申請し、無条件で契約を解除できる可能性があります。
また、トラブルに発展してしまった場合は、国民生活センターに相談すると良いでしょう。
- 火災保険で屋根修理を申請するデメリットはありますか?
- 火災保険は申請回数に制限がなく、何度申請しても保険料は上がらないため、基本的にデメリットはないと言えます。
まとめ
- 屋根修理は火災保険で補償される
- 経年劣化や施工不良が原因の被害は対象外
- 火災保険申請時は詐欺業者に注意
屋根修理にかかる費用は、火災保険で補償される可能性があります。しかし、火災保険申請に際しては、業者が工事を強要したり嘘をついて契約を結ばせたりするトラブルが多発しているため、十分に注意が必要です。
イエベンゴでは、弁護士監修のもと火災保険の申請サポートを行っています。工事を強要することもないため、業者選びで迷った際はお気軽にご相談ください。